文字のみでいきます。
続けて読んでないと何のことかわからないかも、、、
進行中のバティック制作、デザイン完了
オーダーのサイズは、およそ2m x 2m
分割も可なので、布の幅も考えて110cm x 200 cm を2枚でひとつの作品、
それぞれ1枚でも使えるデザインにしました
・18個のアイコン的なイラスト
・レター(デザインされた文字、今回はアルファベットが5個)
・お店のロゴが2個(クライアントはお店もやっている)
で埋め尽くされたデザイン。
4色使いのグラデーション無し
最初に、紙に鉛筆でA4で2枚にラフスケッチ
OKがでたところで
それぞれのパーツを1枚のA4に対してひとつづつ
筆とインクで描きおこしスキャン
スキャンした画像をPCのオートトレース機能で
ベジェ曲線のデータにしてから着色、そんな流れ
紙もののグラフィック仕事なら
後は印刷屋に入稿しておわり、なんだけど
バティックの場合は、
ここまできてスタート地点に立ったかんじ
やっと布への作業となります
自分の場合、
布に溶かしたロウで描くための下書きをするのに
フリーハンドで描くとデザインができてるのにも関わらず
違うことを描きたくなったり、違うこと考え始めて作業が進まなくなったりするので
実寸で出力したものをトレースします
つまり、ここから先は任せられる職人がいれば任せたいかんじでもある
そうすることで、自分はイマジネーションの続きを広げたり
ブラッシュアップしたり、ということができるから。
自分ですべてを行うということは
布の作業に入るところでデザイナーから
職人へとチャンネルを切り替えているといえる
クライアントがいない場合
つまり誰からの発注でもなく完全な自主制作の場合は
最初から、布にロウで描くための下書きをフリーハンドでするところから始めることもある
ここ十年以上は、先にデザインを完成させてから作る作品がほとんどだったので
常に下絵をトレースしてという流れでやっているともいえるが
ペインティングと違って修正が利かないので
それが正攻法という、考え方もある
チェンマイでも、この絵知ってる、というような
ひと昔前からあって、あるいみどこにでも作品があるような絵描きの人は
弟子がいて、その弟子のレベルが師匠が認めるレベルに達すると
弟子が絵を描いて師匠はサインを入れるだけ、ということを聞いたことがある。
その師匠が自分のスタイルを完成させて
世に発表した時は純粋なアートだったかもしれないが
弟子を持ち、自分はサインを入れただけの作品が出回るころには
それは工芸作品、つまり、おみやげモノとしてのアートになった
ということなのでは?
芹沢銈介も、型を彫った後は
作品によっては、弟子が作ってただろう、とおもう
そこが純粋なアートと工芸の違いかなと
最近思うようになった
芹沢が染色を始める時も、型染めかバティックか悩んで
最終的に型染めを選んだときに柳宗悦(柳宗理の父親)が
とてもよろこんだ、という話しを読んだことがある。
その本には、ろうけつ染めだと
素人でも味のある作品ができてしまうので
芹沢のデザイン性がいかしきれないというようなことが
書かれていたと思うけど
それ以外にも、型染めの方がより工芸として
落とし込みやすいからというのもあったのでは?
と今になって思う。
柳宗悦は民芸運動の言い出しっぺだから
チェンマイで個人的な作品を作り始めるときに
ステンシルを選んだことには、経済的な理由もあったけど
型を彫った後の作業を自分でない誰かに任せることも可能だな、
ということも考えていた
人に任せることはできる
今自分が欲しいものは、ひとまわり大きい作業場
いろいろな可能性を妄想する今日このごろです